抄録
日本IBMでは,メンタリングを制度として奨励していることもあり,対象者中の大多数が実施し,一定の成果もあがってきたと考えられる.しかしながら,現状からのさらなる積み上げを図るためには,現在の施策では限界を感じられることも事実である.筆者らはメンタリングをテーマに有志があつまり,SIG(Special Interest Group)を立上げ,このテーマで研究活動を1年強行った.この研究では,まず日本IBMにおけるメンタリングの実体を調査した.その結果,想定していた"PM経験の伝承"といった暗黙知の継承をより推進していくことが必要であることが分った.それを踏まえ,いかにしたらより発展的なメンタリング活動が出来るかを検討し,1対1やグループのメンタリング形式をもとに,メンタリングの実施形式を社内で提言した.この提言の現実性をアンケートで裏付けを取り,本論文でまとめた.