抄録
我々は,実際の顧客が設定された大学学部生の情報システム開発プロジェクトのマネジメントを企業から派遣された技術者が行うPM(プロジェクトマネージャ)育成環境を構築した.このプロジェクトで開発するソフトウエアは小規模であるが,学生の未熟な能力と時間という開発資源の制約があるため,顧客を満足させるシステムを構築するためには,様々な問題を克服していく必要がある.PMの意識調査の結果から,この過程でPMの役割に対する意識の変化が見られ,PMとしての意識が明確になっていくことを確認できた.さらに,プロジェクト横断的に行ったPM同士の対話の記録から,PMの学習効果の分析を試みた.これらの活動は,体験した企業人(PM未経験者,経験者共に)に評価されている.