抄録
ITインフラ構築プロジェクトでは,アプリケーション・コードのような工数算出のベースがないため,モデル化された工数算出手法がない.工数見積りの誤りはプロジェクトの失敗の原因となるため客観的な算出手法が求められる,本論文ではプロジェクト開始時における概算工数見積りモデルを提案する.本手法を以下に示す.(1)プロジェクト分析を行い,工数算出の要素としての規模と難易度要因を明確にする.(2)難易度要因を難易度係数を用いて規模で表現する.(3)規模と規模で表された難易度からプロジェクトの全体工数を求める.工数はプロジェクト実績の分析により考案したプロジェクトの工数算出式を用いる.本手法を実際のプロジェクトの工数見積りに適用し,有効な工数算出モデルであることが実証できた.