抄録
1937年に仁科芳雄博士たちが我が国で初めて,世界でも2番目にあたる小サイクロトロンを完成させてから70年となる今,理化学研究所では史上最強の加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)」の施設整備計画が順調に進行しています.2006年12月,RIBFの心臓部である世界初の超伝導リングサイクロトロン等で構成される加速器群を完成させ,ファーストビームの取り出しに成功するとともに,2007年6月には,ウランイオンを光速の70%まで加速して,新同位元素パラジウム125の生成・発見に成功し,世界に冠絶する次世代加速器施設のRI生成能力の高さを実証しました.