抄録
厳しい経済後退が一段落を迎えたかに見える中,多くの企業は状況に適応したビジネスモデル,ビジネスプロセスへの革新を図ろうとしている.市場対応速度の追求がマトリックス型組織を普及させ企業戦略と業績追求はITを道具として,企業枠,業種業態,国境を超えて連携・提携が進んでいる.施策の殆どはプロジェクトとして実施されるが目標管理もステークホルダーマネジメントも,明らかに新しい水準が必要となってきている.プロジェクトマネジメントは基本的なコンピテンシーではあるが,プロジェクト単体からでは企業業績への貢献や戦略の目指しているものが掴みにくくなっている.本稿はこういったトレンドを解説しプロジェクトマネジメントが獲得すべき次の水準のマネジメント・フレームワークについて述べる.