抄録
本論では,ソフトウェア開発プロジェクトにおけるリスクマネジメントにおいて,不確実性とリスクを明確に区別する立場によるプロジェクトマネジメントを考察する.まず,ソフトウェア開発におけるリスクマネジメントが不確実性とリスクを混在して扱っている問題点を考察する.本論では,不確実性は管理不可能な部分を含んだ事象であるとの認識に立つ.その上でソフトウェア開発のプロジェクトマネジメントは,不確実性を減らし,リスクとしてマネジメントすることが必要であることを提案する.本論におけるリスクマネジメントは,リスクアセスメントを開発の中で連続的に実施することで不確実性から管理可能なリスクへと変換することに特徴がある.