抄録
本論文の目的はモンテカルロ・シュレーションを実務で使ってもらうようにすることである.はじめにモンテカルロ・シミュレーションについて"Riskology"を用いて解説する.次に,「データ白書2007」でのプロジェクト実績データを用いてモンテカルロ・シミュレーションの有効性を検証する.「データ白書」の要員スキルや仕様変更発生具合,プロジェクト実績評価(工期,工数,品質)等のデータをRiskologyでのシミュレーション結果と比較する.筆者の検証によるとシミュレーション結果とプロジェクト実績の工期等は同じような確率分布に従うことがわかった.これはプロジェクト・マネジメントの分野においてもモンテカルロ・シミュレーションが有効であることを示すものである.