抄録
ソフトウェア開発プロジェクトを通して経験的に蓄積された品質知識を組織内で活用するには,まず,品質情報を文書として記録に残す必要がある.その際,品質情報を有効活用できる文書化方針に則って文書化を推進することが望ましいが,それがどのようなものか明らかでない.本論文では,品質情報の文書化方針を因子分析により抽出し,品質文書の活用度との関係を分析した.分析の結果,文書化方針に関する4つの因子が抽出でき,「プロダクト品質の根本原因追求」と「開発標準の改善」の2つが品質知識活用度と関連性が高いことと,それぞれの因子が関連しあっていることを示せた.