抄録
オフショアを利用した開発では,依頼元である日本側のチーム(以降,依頼チーム)と依頼先であるオフショア側のチーム(以降,オフショアチーム)の拠点が地理的に離れている場合や,双方のコミュニケーションにおいて言葉が障壁となる場合がある.その結果,オフショアチームに開発ガイドの理解が十分に定着しないまま開発に着手してしまい,標準化や品質が不完全な状態に陥ってしまうことがある.開発規模が小さければ,コミュニケーション・パスも少なく意思疎通も図りやすいため問題にならない場合もあるが,規模が大きくなるほどこの傾向は強まる.本稿では,オフショアチームの開発ガイドの定着の検証と,欠陥分析の結果から開発ガイドをサイクル的に洗練する手法を論ずる.これにより欠陥を予防して開発品質を向上させるとともに,欠陥除去コストを抑制することを提案する.