抄録
情報システムは大別すると,エンタープライズ系と組込み系ソフトに分けられる.近年,組込み系ソフトウェアに対する規模が肥大化する一方で,ソフトウェア品質に対する要求は一層厳しくなってきている.更に,組込み系技術者の不足はIT業界の課題となっている.組込み技術者不足に対して,一部でエンタープライズ系技術者のトランスファーという動きがある.そのような動きを鑑み,業務系と組込み系の比較は意義のあることといえる.本稿では,指標としていくつかの品質メトリクスを使用し,業務系と組込み系のソフトウェアの品質を比較・分析している.結果,テスト工程における生産性,重要欠陥の比率等にそれぞれの開発の特色が現れている.