主催: 一般社団法人プロジェクトマネジメント学会
プロジェクトを成功に導くために過去の経験から学ぶことは重要である.過去の経験から学ぶ仕組みを実現するためには,組織にとって有益な知識を蓄積する必要があるが,そのために客観的な知識を導き出すことが求められる.一方,客観的な知識を導き出す際に分析作業の負荷が大きいことが課題となっている.本稿では,プロジェクトマネジメントにおける経験知抽出方法の一つとして,プロジェクト終了後に短時間で行うことを要件とする振り返り手法を提案する.手法は,プロジェクト経緯が複雑でなく当事者がプロジェクトの全体像を把握しているという前提で,当事者の頭の中にある主観的な情報を整理することを特徴とする.ステップ毎の具体的な処理を定義するとともに,プロジェクトへの実適用を通して分析結果の質に対する評価および抽出した知識の有用性に対する評価,および特定分野に依存しない手法であることを示した.