主催: 一般社団法人プロジェクトマネジメント学会
アジャイルに代表される反復型開発手法は,この数年日本でもあらためて注目を集めているものの,ウォーターフォール型が定着した市場では未だにその導入率は欧米に及ばず低迷している.その主たる理由としては,柔軟に開発途中で受け入れる変更により事前計画が立て難く,それによる開発見積りと契約の難しさがあげられている.本研究ではアジャイル開発の見積り方法に着目し,そのプロセスと手法を整理した上でその利点・欠点および利用する場合の条件を明確にするとともに,アジャイル開発を事業戦略とするIT企業のプロジェクトデータを予測と実績データの相関・回帰分析することでストーリーポイントでの見積りの有効性を検証する.この見積り手法を適用することにより,アジャイル開発の時間・品質・コストの不確実性を削減し,導入範囲を拡大できることを目的とする.