ソフトウェア信頼性は,ソフトウェアの品質特性の中でも,ソフトウェア開発プロジェクトにおける管理活動上重視すべき「当り前品質」特性である.ここで,ソフトウェア信頼性は「ソフトウェアが,規定の環境の下で,意図する期間中に,ソフトウェア故障を引き起こすことなく動作することができる性質や度合」と定義され,これを確率で表現したものがソフトウェア信頼度である.本稿では,このソフトウェア信頼性に影響を及ぼす人的要因について述べた上で,ソフトウェア信頼性の計測・評価技術としてのソフトウェア信頼性モデルについて議論する.すなわち,コンピュータ上での実行環境にないソフトウェアに対する静的ソフトウェア信頼性モデルと,テスト工程や運用・保守段階での動的環境にあるソフトウェアに対するソフトウェア信頼度成長モデルについて議論する.