ソフトウエア開発プロジェクトの成否構造の解析は,プロジェクト品質の客観的評価に有用である.本研究では,ソフトウエア開発プロジェクトにおけるQCD(品質,コスト,納期)とCS(顧客満足)に関する定量的評価値と,プロジェクトマネジメントに関する技術の実態を,プロジェクトマネージャに対する質問表調査によって取得した.このデータを主成分分析によって解析したところ,1) QCDおよびCSの定量的評価値を用いることによって,実施されたソフトウエア開発プロジェクトが成功であったのか,失敗であったのかということを客観的にするための有効なモデルを得ることができた,2) プロジェクトマネジメントに関する技術の実態に関するデータの解析によって,プロジェクトを成功に導くためには,システマティックな対応が必要であること,プロジェクトのプロセスに対してバランスの良い対応が有効であることなどが明らかにされた.
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