プロジェクトマネジメント学会誌
Online ISSN : 2433-3069
Print ISSN : 1345-031X
創造的問題解決に向けたチームマネジメント研究の試み : 制約の動的緩和理論の視点から(<特集>人とチームのマネジメント)
山内 貴弘
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2016 年 18 巻 1 号 p. 25-30

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抄録
プロジェクトにおいて何らかの問題で全く先に進めない場面に直面することがある.こうした膠着した場面において,限られた時間の中で,創造的に問題を解決していくことはチームマネジメントにおける重要なテーマである.一方,創造的問題解決については,認知科学における制約の動的緩和理論による説明がある.これは個人の認知的な制約のために問題の解決が妨げられる一方,制約が動的に更新されることによって問題解決に近づくとするものである.本論文では,プロジェクトのチームマネジメントにおいて,いかにして創造的に問題解決がなされるかを,制約の動的緩和理論を援用し,エージェントベースシミュレーションを用いて探索的に検討した.この結果,他のメンバーからの提案に対する傾聴態度によって,問題解決に向けたアイデア数の違いが確認された.本論文を通じて,創造的問題解決に向けたチームマネジメント研究の一つの試みを提示したい.
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© 2016 一般社団法人プロジェクトマネジメント学会
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