抄録
近年,大企業,ベンチャー企業をはじめとする企業が先を争うようにインターネットビジネスに参入し,製品の販売を行っている.しかし,その中で明確な方針の下に競争優位を確立するための戦略的なインターネットビジネス・プロジェクトを実施している企業は皆無に近い.そのため,インターネットビジネスは既存業務との一貫性に欠け,ビジネス展開の足を引っ張っている状況が数多く見受けられる.そこで本論文では現状のインターネットビジネスにSIS(戦略的情報システム)の考え方を導入し,インターネット上で扱う製品の差別化を実現するための,戦略的なフレームワークを示した.さらに,そのフレームワークを利用して,ある仮想的企業における差別化戦略の代替案をAHP手法により評価した.