抄録
NTTデータ公共分野では組織全体としてプロセス改善活動に取り組んできた.その活動の大きな柱として,筆者らは組織を横断したプロジェクト計画書レビューを分野独自の施策として提案し,実施した.本施策では,問題が発生するリスクの高い新規もしくは更改プロジェクトを対象に,問題発生を未然に防止することとリスク低減を目的として,社内PM認定制度で認定された上級PMがレビュアとなってプロジェクト計画書のレビューを実施する.その際,レビュアはプロジェクト計画書の妥当性を確認するだけでなく,豊富な経験に基づくノウハウや案件に応じた具体的なアドバイスをプロジェクトに提供し,有効に活用してもらうことを重視している点が特徴である.レビューに参加したレビュアおよびプロジェクトメンバにアンケートを実施したところ,ほとんどの参加者から有意義であったとの評価を得られた.