タイヤ中のスチールコードとゴムを接着させることで耐久性が維持される。金属接着用ゴムには有機酸コバルト(Co)塩が含まれるが、ゴム中のコバルト(以下、Co)の化学的情報はこれまであまり知られていない。そこで、有機酸Co塩を配合したゴムを加硫(加熱)処理して、加硫時間ごとにゴム中のCoの化学状態をXAFS 測定にて解析した。加硫時間を変えることにより170 °Cでは3 minまでにCoの酸化反応が進行し、それ以降は化学状態がほとんど変化しないことがわかった。今回の測定により、金属接着ゴム中のCo塩の状態を把握することができた。