抄録
軽量気泡コンクリート(ALC)の主成分であるトバモライト(tobermorite 化学組成:5CaO・6SiO2・5H2O)の量と質は、ALCの性能と密接な関係にあり、その反応過程を制御したALCの改良研究が、日本および欧州で活発になされている。そのような中で、我々はフライアッシュ(火力発電所から排出される石炭灰)など低結晶質シリカ源の利用検討を行っている。今回は、通常トバモライトを生成しない微結晶シリカを使い、その系に核としてγ-Ca2SiO4(以下、γC2Sと略記)とセメント(βC2Sが含まれている)を添加し、トバモライト生成の促進効果を調べた。今回の実験で、添加なしのブランクに比べていずれの添加系も反応促進効果があった。その結果、γC2S、セメントともに添加によるトバモライト生成促進効果が認められた。