抄録
ペロブスカイト型酸化物の一つであるチタン酸バリウムストロンチウムの酸素部を窒素置換した窒化酸化物ペロブスカイトは印加電圧に対する誘電率の変化が非常に大きい、誘電損失が低いといった、誘電体材料として優れた特性を有するが、これは窒素置換によるTiO6八面体の歪みが原因と考えられる。今回、PDF(atomic Pair Distribution Function)解析[1]を行い、この歪みについて調査したところ、Ti-Oの原子対によるものと考えられる約2 Å付近のピークは認められたが、フーリエ変換の打ち切り誤差の影響もあり歪みの存在を確認するまでには至らなかった。