抄録
X線小角散乱法の較正試料としてナノポーラスアルミナを検討した。今回検討したナノポーラスアルミナは、細孔が2次元ヘキサゴナル配列を有し、細孔間距離が 125 nm のものを用いた。明瞭なデバイリングが観測され、2次元ヘキサゴナル配列がドメインで存在することを示唆する。d01 のデバイリングは 105.46~105.63 nm で観測され、あらかじめ面間隔を計測しておくことで 0.1 % 精度の較正が期待される。細孔間距離については公表値と今回の計測結果は 2.5 % 異なっていた。ナノポーラスアルミナは、X線小角散乱法の較正試料として広く用いられているベヘン酸銀(周期 5.838 nm)が観察できないカメラ長での使用が期待される。