抄録
放射光を利用した材料に関する分析データとして代表的な XAFS スペクトルを題材に、スペクトルデータへの機械学習の導入を検討した。本課題では、その開発に必要な Co 系物質群の実験スペクトルをまず収集し、スペクトルと着目元素の配位状態の特徴の比較を行った。主に酸素を含有する化合物について Co 原子の配位状態と実験スペクトルの特徴を比較した結果、Co-O 結合距離や CoO 多面体構造を記述子として選択することにより、機械学習によるモデル化が可能になることが分かった。実際に、正則化を活用することで、スペクトルから直接 Co-O 結合距離を推定可能なモデルが作成可能であることを示した。