抄録
酸化的リン酸化の中枢を担うシトクロム酸化酵素(CcO)の反応機構を理解するためには、還元型 CcO へ酸素が結合することで開始される反応サイクル中の中間体構造とその生成過程を解明する必要がある。本研究では、励起光照射により酸素を放出するケージド酸素化合物(HPBC)を利用したポンププローブ実験を行うため、還元型 CcO 微結晶とケージド酸素の安定性評価を行った。その結果、還元型 CcO への酸素混入と HPBC の自然分解が確認され、測定環境の嫌気度の改善や HPBC の安定化が必要であることが分かった。