抄録
BL19B2 から BL14B2 に移設したX線 CT 装置のオンビームでの立ち上げ調整を行った。有機材料、食品材料等の低密度差の構造観察ニーズをターゲットとしたユーザー利用運用を想定して、低密度かつ密度差の小さい内部構造を模擬した PET/水標準試料を用いて BL19B2 との比較実験を行ったところ、ほぼ同程度の質の CT 測定による断層像が得られることが確認できた。また、X線 CT 測定データの画素値による材料中のX線線吸収係数分布の定量評価に対する入射X線中の高次光除去を目的としたX線ミラー使用の必然性について評価するため、水標準試料のX線 CT 測定による断層像の画素値に対する測定時のX線ミラー使用の有無の影響を比較検証したところ、X線エネルギー = 12.4 keV 及び 20 keV の時、画素値のX線線吸収係数に対する高次光混入の影響はほとんどないことがわかった。