SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
11 巻, 6 号
SPring-8 Document D 2023-017
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
Section A
Section B
  • 丸山 隆之, 竹内 晃久
    2023 年 11 巻 6 号 p. 407-409
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル オープンアクセス
     長寿命・低損失タイヤのニーズに応えるため、汎用X線 CT 装置では一般に検出困難な有機成分主体の異物について、放射光の高輝度・高コヒーレンスを利用した位相コントラスト結像型X線 CT を用いることで正確かつ詳細な把握が可能となるか検討した。その結果、フィラーを充填した実用ゴムにおいても実際に吸収 CT 像ではほとんどコントラストの得られない有機系の異物が位相 CT 像により鮮明に非破壊観察可能なことが確認された。
  • 平野 健司, 山下 友義
    2023 年 11 巻 6 号 p. 410-414
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル オープンアクセス
     柔軟性に富む高熱伝導炭素材料の空隙などの微視的内部構造を評価する技術を確立するため、高熱伝導グラファイトシート(GS)を題材として、マイクロビーム小角X線散乱測定(μ-SAXS)、および結像型X線ナノ CT 測定を行い、その微視的な内部構造や空隙の状態の解析を試みた。
     μ-SAXS では、log(I)-log(q) プロットの減衰関数の解析から、Porod 則に基づく-4.0 に近い減衰指数が得られ、必ずしも断定はできないが、内部構造における界面のラフネスが比較的平滑である可能性が伺われた。
     一方、結像型X線ナノ CT においては、GS の扁平状空隙の構造を明確にとらえることができ、さらにその間をつなぐシート方向の熱伝導特性には欠かせないと思われる、サブ µm~µm オーダーの厚さを持つスケルトン構造も明確に観察することができた。
     炭素繊維のミクロボイドの解析では、SAXS、および μ-SAXS 測定が有効であるが、グラファイトシートの内部の空隙の構造の把握については、X線 CT が有効であることが分かった。
  • 小林 裕, 岡﨑 俊幸, 榊 篤史
    2023 年 11 巻 6 号 p. 415-418
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究では、GaN/Ga2O3 構造の試料について、オージェ電子およびそれ由来のバックグラウンド電子(非弾性散乱オージェ電子)強度のエネルギー依存性を計測し、X線吸収微細構造(XAFS)測定を実施した。得られたスペクトルの成分分離の結果、計測する運動エネルギーの減少にともない検出深度は増加し、1000 eV エネルギー損失した非弾性散乱オージェ電子の計測では、37.5 nm の Ga2O3 層の成分は約3割となり、下層の GaN 層の情報が中心に得られることを確認した。
  • 北原 周, 黒松 博之, 山田 周吾
    2023 年 11 巻 6 号 p. 419-425
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル オープンアクセス
     BL16XU に導入したスパイラルスリットと2次元検出器 PILATUS 300K からなる共焦点X線回折測定システムの性能評価を行った。サンビームにおけるスパイラルスリットは空間分解能を重視したスリット幅 0.08 mm に加え、検出の効率性を重視したスリット幅 0.15 mm のものを追加導入した。2つのスパイラルスリットの性能を比較して、サンビーム各社の利用実験に供する準備を行った。
Section C
  • 佐藤 眞直, 梶原 堅太郎
    2023 年 11 巻 6 号 p. 426-430
    発行日: 2023/12/28
    公開日: 2023/12/28
    ジャーナル オープンアクセス
     BL19B2 から BL14B2 に移設したX線 CT 装置のオンビームでの立ち上げ調整を行った。有機材料、食品材料等の低密度差の構造観察ニーズをターゲットとしたユーザー利用運用を想定して、低密度かつ密度差の小さい内部構造を模擬した PET/水標準試料を用いて BL19B2 との比較実験を行ったところ、ほぼ同程度の質の CT 測定による断層像が得られることが確認できた。また、X線 CT 測定データの画素値による材料中のX線線吸収係数分布の定量評価に対する入射X線中の高次光除去を目的としたX線ミラー使用の必然性について評価するため、水標準試料のX線 CT 測定による断層像の画素値に対する測定時のX線ミラー使用の有無の影響を比較検証したところ、X線エネルギー = 12.4 keV 及び 20 keV の時、画素値のX線線吸収係数に対する高次光混入の影響はほとんどないことがわかった。
Section SACLA
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