抄録
高エネルギー分解能蛍光検出X線吸収分光(HERFD-XAS)は、寿命幅によるスペクトルの広がりを抑制した高エネルギー分解能のX線吸収分光として利用が拡大してきている。数多くの実験が行われている 10 keV 程度以下よりも高エネルギーに蛍光X線を有する 4d 遷移金属(Mo、Pd)について、現状の装置・設備で HERFD-XAS を実施し、実験の可能性の検証、課題の抽出を行った。Mo については HERFD-XAS の計測には成功したものの、10 keV 程度と比べて2桁以上の強度低下があった。この強度低下は蛍光X線を分光する結晶の反射率、検出器の量子効率に起因すると考えられる。Pd については十分なシグナルノイズ比が得られず、HERFD-XAS は計測できなかった。