抄録
Sm2Co17 磁石の減磁機構を解明するために、XMCD (X-ray magnetic circular dichroism) による磁区観察を、測定磁場を変えながら実施し、得られた吸収係数の値により組織の局所的な M-H ループを求めた。Sm2Co17 系磁石の組織は大別すると主相である結晶粒と結晶粒間に介在する粒界相、及び Sm2O3 の3相に分類されるが、得られた結果より、結晶粒と粒界相の磁化はほぼ同様の値を示すのに対し、保磁力については結晶粒と粒界相で大きく異なり、結晶粒に対し粒界相は非常に小さい値を示すことが分かった。