SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section A
筋収縮におけるミオシン頭部レバーアーム領域の必須の役割のX線回折による研究
杉 晴夫山口 眞紀奥山 博司福谷 充輝橋詰 賢山澤 德志子大野 哲生八木 直人
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2025 年 13 巻 4 号 p. 199-203

詳細
抄録
 筋収縮におけるミオシンレバーアームの役割を知るために、ミオシン重鎖の S1-S2 ヒンジ領域に対する特異的抗体をウサギスキンドファイバーに作用させて静止状態での二次元X線回折像を取得した。抗体を作用させたファイバーでは、ミオシン頭部のらせん構造に由来する層線強度およびミオシン頭部の周期構造を反映する子午線反射の強度が減弱した。また、ミオシンフィラメントの間隔を示す 1,0 格子間隔は増加した。これらより、抗体結合によりミオシン頭部が超弛緩状態から弛緩状態へ遷移した可能性が示唆された。
著者関連情報

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top