SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
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SPring-8 Document D 2025-011
選択された号の論文の19件中1~19を表示しています
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  • S. Imada, K. Terashima, T. Isaji, A. Fujita, H. Kada, S. Kato, J. Wang ...
    2025 年13 巻4 号 p. 223-225
    発行日: 2025/08/29
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
     We present the result of core-level photoabsorption (XAS) and photon energy dependent soft x-ray photoemission (SXPES) study of Nd2Fe14B. Our goal is to acquire information of Nd 4f and Fe 3d electronic states separately. For this, we have utilized not only resonant photoemission at Nd 3d-4f XAS region, but also antiresonance photoemission at Nd 3d-4f and Fe 2p-3d XAS.
  • 桂 翔生, 堀田 太洋, 西村 友宏, 森 拓弥, 安田 秀幸
    2025 年13 巻4 号 p. 226-228
    発行日: 2025/08/29
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
     自動車・建材向けの薄鋼板に防食目的の Zn めっき層を工業的に形成させる、溶融 Zn めっき鋼板製造ライン (CGL: Continuous Galvanizing Line) の溶融 Zn 浴中において発生する固形の金属間化合物のうち、Fe-Zn 系化合物のひとつである δ 相の晶出・成長挙動の把握を目的として、晶出過程のその場観察を行った。Al、Fe 成分を含む Zn 合金を高真空下で溶融し、等降温速度で冷却する過程において、過飽和となった浴中成分が固形の晶出物として核生成・成長する過程を、等時間間隔で透過像観察を撮影した。今回の実験では、狙いとしていた溶融 Zn 液相からの δ 相の直接の晶出は確認できなかったが、初期に Fe2Al5 が晶出し、これを核として Fe-Zn 系とみられる異相の金属間化合物が晶出 (不均質核生成) する挙動をその場観察することができた。
  • 鈴田 和之, 武田 基希, 安富 諒, 小林 翔, 渡邉 紘介, 伊藤 廉
    2025 年13 巻4 号 p. 229-234
    発行日: 2025/08/29
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究では、20~60 代の日本人女性毛髪を対象として、BL47XU の微分位相X線顕微 CT を用いた高精度な毛髪内部の可視化を検討した。また、観察された毛髪内部構造に対して、毛髪タンパク質のカルボニル化や毛髪含水量との関連性を検討した。その結果、毛髪内空隙が加齢とともに増加する傾向が示唆された。また、空隙のほかに輝度の低い低密度領域がすべての年代の毛髪に対して確認された。空隙形成にはカルボニル化よりも含水量の影響が強いことが、また低密度領域はカルボニル化が進行するにつれて減少する傾向が示唆された
  • 羽根田 剛, 松野 信也, 高山 裕貴, 漆原 良昌, 篭島 靖
    2025 年13 巻4 号 p. 235-238
    発行日: 2025/08/29
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
     高分子微多孔膜を放射光結像型ナノX線 CT にて高い空間分解能で観察すると、三次元多孔構造の可視化が期待できる。しかしながら、高分子材料ではX線による試料損傷が起こるため低い強度かつ短時間露光で測定する必要があり、投影像の S/N 比が低下してしまい多孔構造の可視化は困難である。そこで本実験では、スパースモデリング(全変動フィルター)を導入し、S/N 比が低い投影像のノイズの低減を図った。その結果、断面 SEM 像と近しい孔構造が観察できた。
  • 髙橋 伊久磨, 木内 久雄, 藤波 想, 仲谷 友孝, 森田 昌行, 安部 武志
    2025 年13 巻4 号 p. 239-243
    発行日: 2025/08/29
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
     亜鉛空気二次電池用の空気極触媒は充電時の酸素発生反応 (OER) と放電時の酸素還元反応 (ORR) の両反応で高活性な触媒設計が必要となる。本研究では、Co3O4 に Mn、Fe、Ni を置換した多元系スピネル酸化物を用い、Operando X線吸収分光により OER、ORR 時の各元素の化学状態変化と反応への役割について調べた。Co3O4 では Co が OER で酸化、ORR で還元し両反応に寄与して活性を示した。MnFeCoO4 に関して、OER では Co が酸化して反応に寄与するが Co の割合が低く低活性であり、ORR では Mn と Co が還元して反応に寄与し高活性を示した。他方、Fe は両反応に直接関係しなかった。MnCoNiO4 に関して、OER では Ni が酸化して反応に寄与し高活性を示した。ORR では Co が還元して反応に寄与し、MnFeCoO4 と同様に Mn も還元するが還元度は低く低活性となった。
  • 吉住 歩樹, 西原 克浩
    2025 年13 巻4 号 p. 244-249
    発行日: 2025/08/29
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
     平板試料の非破壊分析に適した放射光X線ラミノグラフィー法を用いて、Zn-5%Al めっき鋼板の非破壊分析を実施し、同一X線のエネルギーにおける試料厚さの影響を調査し、試料厚さが再構成画像のノイズに与える影響を調べた。また、Zn-5%Al 合金めっき鋼板上に形成された、2種類の腐食生成物が分離可能か検討を行った。結果、試料厚さを薄くすることによってX線透過像のノイズが低減し、再構成画像の SN 比も向上する知見を得た。また、生成された2種類の腐食生成物の画素値の差と、線吸収係数の計算値の差もよく一致しており、Zn-5%Al めっき上に生成された2種類の腐食生成物を分離可能であると考えられる知見を得た。
  • 木村 洋則, 鈴田 和之, 伊藤 廉
    2025 年13 巻4 号 p. 250-254
    発行日: 2025/08/29
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
     脱色処理毛髪の中間径フィラメント(IF)と IF 結合タンパク質(IFAP)の凝集体構造を小角X線散乱法により解析し、X線 CT 測定により観察される内部空洞の生成メカニズムを検討した。その結果から、脱色処理による IFAP 流出に伴う IF/IFAP 凝集体の体積減少が、マクロフィブリルの収斂につながり、マクロフィブリル同士の剥離が生じて境界領域に内部空洞が発生することが示唆された。
  • 永野 千草, 野村 徹, 王 珊, 吉村 倫一
    2025 年13 巻4 号 p. 255-259
    発行日: 2025/08/29
    公開日: 2025/08/29
    ジャーナル オープンアクセス
     樹脂の破壊機構のひとつに、応力下で各種薬剤と接触してクレーズやクラックを発生する溶剤ストレスクレージング(SSC: Solvent Stress Crazing)がある。その破壊メカニズムについては分子鎖間への薬剤分子の拡散による応力緩和とされているが、詳細な構造解析を行った例は少ない。本研究では、SSC による樹脂および薬剤分子の凝集構造変化を明らかにすることを目的に、放射光X線回折・散乱測定による構造解析を行っている。今回、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)水溶液により SSC が発生した耐衝撃性ポリスチレン(PS-HI)の小角X線散乱(SAXS)測定より、PS-HI 内部に SDS 分子が浸透したこと、PS-HI のクラックの配向方向に一部の SDS 分子が配列したことを明らかにした。
Section C
Section SACLA
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