抄録
ビームラインBL37XU(分光分析)は、直線型真空封止アンジュレータを光源としたビームラインであり、顕微分光分析法を主体とする実験に利用されている。2010年度に実施された「グリーン・ナノ放射光分析評価拠点の整備」により、高品質なナノ集光ビーム形成の実現を目的として、第3実験ハッチが新規に建設された。この第3実験ハッチには、「ナノビームX線蛍光分析装置」が整備され、ビームライン光学系も併せて高度化が行われた[1,2]。2013年度においては、広いエネルギー領域(4.5 ~ 113 keV)とX線集光素子の組み合わせにより、マイクロ/ナノビームを用いた分光分析手法を利用して、様々な実試料の分析が行われている。本稿では、BL37XUの現在の利用状況と、近年実施した高度化研究開発について報告する。