抄録
BL38B1は、結晶回折測定用に偏向電磁石を光源とした安定性の高いビームを提供できる。この高安定性を利用し、比較的回折能の高い結晶(50 µm3以上のサイズ)を対象として、凍結結晶からの回折データ収集の高速化・効率化のために、測定の自動化を進めてきた。それとともに、高精度データ測定のため、集光系の改良によるビームの微小化と高フラックス密度化を行ってきた。さらに、回折測定のみならず、機能解析に必要な多様な測定を可能とするため、オンライン顕微分光装置の高度化、新しい結晶マウント手法の開発を行っている。2013年度に実施した主な高度化は、試料位置でのX線照射位置の高精度化、オンライン顕微分光装置の高速化・安定化、装置の更新、周辺技術の開発と、湿度調整と水溶性ポリマーを使用した結晶マウント法の開発である。