抄録
次世代リチウムイオン電池の開発には、リチウムイオンの挿入脱離反応を三次元で可視化する評価法が要望されている。そこで、二次元XAS (X-ray Absorption Spectroscopy)、および不完全CT法を応用した三次元XASによる遷移金属の価数分布の可視化計測法を検討した。二次元XASからLiFePO4正極断面において、リチウムイオンが正極から負極に移動する充電では、Al集電体に比べて正極のセパレータ側でリチウムイオン移動が進行しているのが判明した。LiFePO4正極の三次元像の構築には成功したが、不完全CT法では、電極断面のFe価数分布の識別が困難であることが判明した。