抄録
La2Ni7を室温付近で水素化を行った場合、圧力-組成等温線(PCT曲線)には3段階のプラトーが観察されるが、水素化の各段階における構造変化についてはいまだ不明な点が多い。本研究ではPCT曲線の各プラトーまで水素を吸蔵放出させた後に得られるLa2Ni7水素化物の結晶構造をSPring-8の放射光粉末X線回折を用いて調査した。30°Cおよび80°C第1プラトーまで水素吸蔵放出後に観察される水素化物と、第2,第3プラトーまで水素吸蔵放出後に観察される水素化物はいずれも斜方晶の対称性を有しているが、異なる結晶構造を持つことが明らかとなった。