SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
in situ XAFSによるペロブスカイト酸化物中の複数遷移金属の酸素熱力学パラメータの考察
伊藤 孝憲平山 明香本間 徹生
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 3 巻 2 号 p. 392-396

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抄録
固体酸化物型燃料電池(SOFC)の空気極材料は低温化、安定性においてもっとも重要な課題を抱えている。それらの課題解決には遷移金属の価数、更にはそれらの熱力学的な考察が重要であることが知られている。しかし、空気極材料は複数の遷移金属を含み古典的な熱天秤や滴定によって価数を求めることができない。そこで本課題では中温作動型SOFC空気極材料として利用されている(La0.6Sr0.4)(Co0.2Fe0.8)O3-δ (LSCF)、低温作動型として期待される(Ba0.5Sr0.5)(Co0.8Fe0.2)O3-δ (BSCF)のCo、Fe-K吸収端について様々な温度、酸素分圧でin situ X線吸収スペクトル(XASF)を測定することでCo、Feの価数、熱力学パラメータを議論した。Co、Feの部分モルエンタルピー、部分モルエントロピーからCo価数の方がFe価数より増加しやすいことが分かった。
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