抄録
溶体化処理後の室温時効によりAl-Mg-Si合金中にはクラスター1が形成し、引き続いて行う170℃における人工時効処理中のβ”相の析出が阻害されることにより、時効硬化量を低下させることが知られている。本研究ではクラスター1の室温時効時間の変化を調べるため、軟X線XAFS測定を行った。その結果、室温時効時間の増加により徐々にSi原子周りの配位距離が減少し、Si価数が増加することが示唆された。しかしながら、16 days以上の長時間時効により、逆に配位距離が増加し、Si価数が減少することが示唆された。