抄録
超高圧高温下の直接変換焼結により合成されたナノ多結晶ダイヤモンド(NPD)は、単結晶ダイヤモンド(SCD)を凌ぐ高い硬度、強度をもつため、超高圧発生用ダイヤモンドアンビルセル(DAC)用のアンビルとして非常に有用である。特に先端(キュレット)径が300 μm以上のNPDアンビルは、従来のSCDアンビルの2倍前後の超高圧を安定して発生できる。今回、ラテラルサポート型の側面テーパー付NPDアンビルを試作し、超高圧発生実験を実施したところ、アンビル底面の引っ張り応力が抑えられて、さらに到達発生圧力を向上できることがわかった。加えて、アンビル先端にべベルも付与することでSCDアンビルの3倍近い超高圧発生が可能であることを確認した。このラテラルサポート型アンビルによる超高圧の安定発生のためには、アンビルと超硬台座との接触部の形状や面精度を高度に保つことが重要である。