抄録
土は含水量によってその状態を大きく変化させ、それに伴って外力に対する抵抗性も変化する。土のこのような性質をコンシステンシー特性といい、土木分野では土構造物の建設から土砂災害にまで関係する工学的に重要な特性である。本研究では小角X線散乱法を用いることで含水量の変化に伴う粘土粒子の構造の変化を明らかにし、土のコンシステンシーメカニズムの解明を試みた。その結果、Na型スメクタイトのクニピアFおよびCa型スメクタイトのクニボンドはコンシステンシー限界時にその構造を大きく変化させることが明らかとなった。とくに、クニピアFは塑性体領域において層間距離を増加させ、層間距離10-15 nmまで層構造を保つことが確認された。