SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section A
X線磁気円二色性によるラーベス相RFe2 (R=Y, Gd) 水素化物の高圧下の磁気状態の研究
石松 直樹圓山 裕河村 直己水牧 仁一朗中野 智志三井 隆也中村 優美子榊 浩司榎 浩利
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2016 年 4 巻 1 号 p. 1-4

詳細
抄録
C15型ラーベス相化合物GdFe2とYFe2をGPaオーダーの水素雰囲気下で加圧し、水素化による電子状態と磁気状態の変化をGd L2吸収端およびFe K吸収端のX線吸収分光法とX線磁気円二色性(XMCD)から調べた。高圧下の水素化により強磁性秩序が消失したことでXMCDの強度が減少し、さらに加圧すると再び強磁性秩序が出現してXMCDの強度が増加した。常圧下と高圧下の強磁性秩序におけるXMCDの強度を比較すると高圧下のXMCDの強度は常圧の1 ⁄ 10程度と小さい。このことから高圧下の強磁性秩序はFeと希土類原子間の電子軌道の混成が水素の占有によって弱まった電子状態であることが分かった。
著者関連情報
次の記事
feedback
Top