抄録
本研究では、フェライト/マルテンサイト鋼(PNS-FMS)とSUS316をレーザ溶接した際に発生する内部残留ひずみ分布を計測した。2種類のレーザ条件で作成された厚さ5 mm程度の試験片のひずみ分布を比較すると、PNC-FMSの溶接部の外側に非常に強い引張ひずみ、内部に弱い圧縮ひずみが表面から裏側まで発生し、SUS316の溶接部内部界面表面付近に圧縮ひずみが発生すること、また単位溶接長さあたりに投入されるレーザエネルギーを小さくすると各鉄鋼材におけるひずみ分布の範囲は狭くなるが、ひずみの絶対値は大きくなるという結果が得られた。