抄録
有機-無機複合材料において無機材料の表面を改質することで、様々な特性を付与することができる。その例として、エポキシ樹脂-アルミナ複合材料の熱伝導性は、アルミナ表面を脂肪酸で修飾することで向上することが分かっている。このことは、表面修飾によって樹脂の高次構造の変化に起因している可能性を推定している。本研究では、脂肪酸がエポキシ樹脂の高次構造に与える影響について、放射光によるX線反射率(XRR)測定およびすれすれ入射広角X線回折(GI-WAXD)による解析を行った。同一炭素数で二重結合数が異なる脂肪酸を使用して検証を行った結果、エポキシ樹脂の構造が脂肪酸の二重結合数によって異なる可能性が示された。