抄録
油-鉱物界面の吸着構造に及ぼす塩の影響を調べることを目的に、白雲母-オレイン酸の界面に対してオレイン酸飽和の状態と濃度1 wt%の塩水注入実施後の状態とで、20 keVの入射X線エネルギーでX線CTR散乱法の測定を行った。その結果、オレイン酸飽和の状態に対しては良好な測定データを得ることができた。しかし、塩水注入実施後の状態に対しては、塩水注入時の白雲母基板の浮き上がりにより、特に L が大きい範囲で良好なデータが取得できず、基板の固定方法と塩水の注入方法に課題を残した。また、オレイン酸の吸着構造を直接示すデータを得るにはL <2の範囲も測定する必要があることがわかった。