抄録
硫化物系固体電解質ガラスLi3PS4において、ラボで合成可能なメカニカルミリング法(MM法)と量産化が見込める溶媒を用いた製法(新プロセス法)によるÅ~nmスケールの構造差を、HEXRD (High Energy X-Ray Diffraction) により調べた。両製法を比較した場合、二体分布関数G(r)による局所構造評価では有意な差は見られず新プロセス法においてもMM法と同等の局所構造を有する材料を合成できることが分かった。一方で構造因子S(Q)において、新プロセス法により合成した材料は Q が0.5 Å-1以下の低波数領域に強い散乱が見られたことから、ナノサイズよりも大きい領域で、異なる製造法により構造差があることが分かった。また、SAXS (Small Angle X-ray Scattering) 測定の結果から、これは球形近似で数十nmの構造体であることが分かった。