2024 年 80 巻 15 号 論文ID: 23-15008
階層ベイズ更新では,モデルパラメータ固有の変動を確率分布で表し,モデル応答と観測データの確率的な不一致を最小化するように超パラメータを更新する.著者らは階層ベイズ更新における主観的仮説を避けるため,広範な分布を離散的に近似可能である階段状確率分布の適用を検討してきた.本研究では,新たにパラメータ間の相関を考慮するため,コピュラと階段状確率分布による同時分布のモデル化を検討する.異なる相関構造を表す複数のコピュラから最適なコピュラを決定するため,ベイズモデル選択を援用する.提案手法は,簡単な 3 自由度のバネマスモデルを用いた数値例題により検証され,限られた事前情報と観測データから,パラメータの不確定性を相関構造まで含めて適切に定量化できることを示した.