SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section C
科学鑑定のための自動車塗膜の赤外放射光分光顕微分析
本多 定男橋本 敬森脇 太郎池本 夕佳木下 豊彦
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2018 年 6 巻 1 号 p. 145-149

詳細
抄録
 科学鑑定のもっとも重要な対象のひとつに自動車塗膜があり、構成する各層について赤外分光分析を実施してデータベースと照合することにより車種を推定することが可能になる。
 全国各警察の科学捜査研究所では、自動車塗膜を研磨したうえ各層から微量を採取し、グローバー光源の顕微フーリエ変換赤外分光光度計(FTIR)により分析しているが、微細・僅少になるにしたがって採取して分析に供するのが難しくなり、また分析が可能であってもノイズレベルが高くなり、データベースとの照合でヒット率が大きく低下する。まして、擦過状に付着したものについては層状部分が発見が困難で、まったくお手上げの状態である。
 そこで、広がりが小さく、桁違いに強度が高い赤外放射光分光分析に着目し、アパーチャで 2 µm に絞ったマッピング分析により極小の擦過状自動車塗膜の分析手法について検討した。
著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top