2018 年 6 巻 2 号 p. 250-255
Zr-Cu-Ni-Al系金属ガラスにおけるPd、Au等の貴金属元素の添加は、非晶質構造中にナノクラスターを形成し、塑性変形能を改善させる。また、Au添加合金においては、ガラス転移温度( Tg )以下でのAnnealによって、さらに大きく塑性変形能が改善する。本研究では、Zr-Cu-Ni-Al-(Pd, Pt, Ag or Au)系金属ガラスのAnneal前後でのX線小角散乱を測定し、非晶質構造の不均一性について評価した。Au添加合金では、Ag、Pt添加合金と比べて、圧縮破面近傍での散乱強度の増加が小さく、せん断帯付近における不均一性の成長が抑制されることから、高い塑性変形能を示すと考えられる。