SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
マイクロX線CTによる、油調済みパン粉の微細構造観察
小谷 久合谷 祥一平松 修一山野 善正
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 6 巻 2 号 p. 310-314

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抄録

 パン粉の油切れは、添加する材料によって性質が異なることが経験的に分かっているが、具体的にどういう現象が起きているのかは解明できていない。表面の微細構造によって親水性、疎水性の性質が現れているのではないかと考え、BL46XUのX線CTを用い、製造方法及び組成の異なるパン粉の微細構造観察を試みた。特に、微細表面構造における、油調済みパン粉と油の界面の観察と、パン粉内部の油の分布状況を観察した。
 その結果、測定前に予想された、各種油調済みパン粉の微細表面構造と油浸漬部との境界面に空気の層の存在は確認できなかった。また、どのパン粉も内部に、油に浸漬されていない空孔を有していた。定性的ではあるが、油に満たされていない空孔は、油調済み焙焼パン粉及び油調済み電極パン粉より、電極式で作成した油調済み裸麦 50% 含有パン粉の方が多かった。マイクロX線CTから構築した3D画像から、裸麦50%含有パン粉の油に満たされていない空孔は、ダブル・リ・エントラント構造ではないかと推測した。

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