抄録
大量の水素を安定的に安価で貯蔵する技術開発が望まれており、我々は、水素貯蔵ができる新規Pd含有材料の開発を行っている。今回、本材料の水素貯蔵メカニズムについて細孔径が異なるゼオライト(4A、13X、4Aナノ、ZSM5)から合成したPd含有ゼオライトへの水素の貯蔵・放出過程での構造変化を、Pd-K端の in-situ XAFS測定を行うことによって評価した。
今回の実験では、いずれの試料もPdは水素暴露によってPd-Oが還元され、Pd-Pd距離が金属Pdの距離よりも伸びていること、水素貯蔵後に温度を上げるとPd-Pd距離が短くなったことから、今回の材料では、水素はPd-Pd間に導入され、加熱によって脱離し、Pd金属に変化していることが確認できた。しかしながら、細孔サイズによる吸着挙動に差異は明らかにできなかった。