SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section B
燃料電池カソード触媒の合成過程の in-situ XAFS 測定
岸 浩史坂本 友和山口 進松村 大樹田村 和久西畑 保雄
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 6 巻 2 号 p. 330-333

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抄録

貴金属を使用しない燃料電池カソード触媒の反応機構を明確にするために、X線吸収微細構造(XAFS)のその場測定に取り組んでいる。今回、Fe錯体触媒の選択性向上に寄与する局所構造(Feメタル粒子低減)[1]の生成要因を検証するため、異種材料(前駆体)で合成中(材料混合、熱処理)の触媒についてFeの配位数・価数の差異を調査した。ex-situ 解析から異種前駆体を用いた触媒において、材料混合時にFeメタル粒子のピーク強度に差異がみられた。また、熱処理中の in-situ 解析から前駆体の融点近傍でFeの価数が大きく変化していることが分かった。Feの局所構造および電子状態に前駆体種の寄与が大きいことを示唆する結果を得た。

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