抄録
これまで赤外分光分析では難しかった劣化により一部分子構造が変化した琥珀の産地推定について、加熱しながら放射光顕微赤外分析を実施することで産地推定が可能となることがわかった。方法は室温から 400℃ まで加熱した時の出土琥珀のスペクトルの変化を、主産地として知られている久慈市やいわき市、銚子市から産出する地質学的標準試料のそれと比較することで判別する試みを行った。さらにこれまで分析に使用できる試料がわずかしか無く分析が実施できなかった出土琥珀の産地を推定する方法として利用できる可能性も見出した。