抄録
鉄鋼生産工程の熱処理過程において鋼材表面に生成する酸化スケールの剥離性に影響すると考えられるスケール/地鉄界面に発生する応力の熱処理過程における変化を観察するための in-situ XRD 歪み測定技術開発を目的として、測定能率を向上するために1次元検出器を用いた XRD 応力測定技術の検討を行った。テストサンプルとしてショットピーニング処理を表面に施した低炭素鋼試料を用い、試料に対するX線入射角及び回折X線検出角を制御してX線侵入深さを制御しながら sin2Ψ 法による歪測定を行うX線侵入深さ一定法について技術検討実験を行った結果、従来の0次元検出器の回折角走査による方法とほぼ同等のデータを測定時間を 1/5 に短縮して測定することに成功した。しかしながら、この1次元検出器を用いた方法では回折角の分解能を確保するためにビームサイズを絞る必要があるため、結晶粒からの回折信号の平均化が難しく、不均一な多結晶組織を持つ実際の鉄鋼試料では応用が難しいことも分かった。